2024年3月16日土曜日

溺凌


タイトル:溺凌(できりょう)
制作年:2024/01

詳しい解説は追記から↓


画集「溺凌」表紙用に描いたイラストです。
「ゆう」を描いている途中で「これはちょっと雰囲気が違う」と思って描き直したのがこちらです。

下が侑希(ゆうき)、上がゼウスです。
過去画集「溺」「凌」それぞれの表紙に描いた人物です。
「ゆう」があまりに明るくて雰囲気に合わない、ということで、「溺」の切ない・悲しい雰囲気を「凌」の絵柄で描いた、という感じの絵に落ち着きました。
溺れていく侑希の悲しみを凌ぐ=乗り越えようとするゼウス、という構図です。

「凌」の少女的な衣装イメージを二人の衣装に取り込んで、ドレスにしました。
パールが「溺」の涙や水滴のイメージ、リボンは「凌」のイメージです。
レースのアームカバーは、侑希の腕に入っている模様を隠すために、最初は彼女のみにつけてもらっていたのですが、バランス悪いし顔周りに情報集められるから、とゼウスにもつけてもらいました。
過去2作が白ベースだったので、今回は暗い色にしようと思い、ドレスは紺多め、地に大理石の暗い水色を使っています。
女神の石像、神話の一ページのような冷たさが欲しかったのもあります。
全体が薄暗いので、目だけは彩度を上げて光っているように見せています。
青の侑希の目はともかく、橙のゼウスの目はめちゃ綺麗で目を惹くようにできたと思います。
更に全体に色収差もどきを入れています。
「溺」に入れていたから採用したというのもありますが、大理石の硬質な画面の中に、彼女らが内包する不安定さ、危うさを感じていただければ嬉しいですね。

色やらなにやらはもちろんなのですが、このポーズを描くのがすごく難しかったです。
過去作と並べてもかなり人物の距離が近く絡んでいるのではないでしょうか。
これを描くにあたって、今更過ぎるくらいなのですが横顔を描く練習をしました……。
胸の間に肘突っ込んで逃がさないゼウスに強引さを感じてください。
逆に侑希は自由落下な感じですが、力を抜きつつも美しい指先を意識しています。

神秘的で良い感じにまとまったと思います。
ちなみにこれが表紙の画集「溺凌」はBOOTHや各種イベントでお迎えいただけますので是非に。

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